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髙橋 和子さん


新たな職場環境で学びへの意欲が向上。
年齢で学びを諦めず、一歩踏み出すことで後輩の後押しになる存在に。

健康栄養科学研究科(修士) 2022度入学
髙橋 和子さん

地元に新設された大学院の学びの環境と制度に惹かれて

私は、長野県の学校栄養職員として、小中学校や給食センターに勤務していました。県内に栄養教諭が配置されるようになった翌年の2008年に栄養教諭になりました。そして、定年退職の4年前にあたる2019年、長野県教育委員会に栄養教諭の指導主事として異動しました。

県教育委員会への異動2年目には、国の第4次食育推進基本計画策定に向け、専門委員として国の会議に出席。そこで出会う有識者との議論を通して、食育の背景にある政策、世界の動き、学校の外部から願う子どもたちの食育など、知識はあっても理解できていない部分があることを実感しました。指導主事としても、管理栄養士としても、もっと自分の見識を深めたい、学びたいと考えるようになりました。

2021年、長野県立大学大学院が新設されるという情報がありました。学びたいという意欲は高まっていたものの、残業も出張も多い仕事柄、進学はとても無理なことと諦めていました。そんな折、県の栄養教諭向けの研修会等で本学の健康栄養科学研究科長・稲山貴代教授に何度もお会いする機会があり、「大学院は多忙な社会人の学び直しに向け、門戸が開かれている」と聞きました。さらに、長期履修制度により必ずしも2年で修了する必要がないと知って入学を決意。教授陣や施設環境も素晴らしく、地元の長野市で学べる機会を逃す手はないと、定年退職1年前に、本学第一期生として3年の履修計画で入学しました。

髙橋 和子さん

同期の支えと学ぶ姿勢が日々の勉学の励みに

職場では限られた人にしか本学の入学を伝えていなかったため、仕事を続けながらの1年目は、単位の取得だけで精一杯でした。週2回の平日夜のオンライン授業日は、仕事を定時で切り上げるよう業務に努めました。私の座右の銘は「仕事も遊びも全力投球」、モットーは「明けない夜はない」です。大学院進学で仕事が疎かになったと思われるのは不本意だったため、課題等は寝る間も惜しんで取り組みました。それでも頑張ることができたのは、社会人として学びに向かう同期の一期生の結束力です。日々業務に追われている私に、提出物等の情報やデータ作成のレクチャーなど、同期の皆さんには多くの場面で助けてもらいました。それぞれが学費や旅費を負担し、時間をやりくりし、真剣に課題や研究に取組んでいる姿勢にも刺激を受けました。先生方もフレンドリーかつ熱心で、皆で新しい大学をつくりあげていることを実感しながらの学びに意義深さを感じています。

入学2年目には定年退職したことで生まれた時間を活用し、研究を進めるうえでより理解を深めたいと感じたデータサイエンスの授業をもう一度聴講させてもらっています。意欲次第で同じ授業を再度受講できる機会があることも、本学の魅力のひとつだと感じています。

髙橋 和子さん

集大成としての研究で現役の栄養教諭の力になりたい

現在、研究テーマに掲げているのは、中学校における食育推進についての課題や障壁の要因を明らかにすることです。学校現場にいたフィールドを生かし、学校における食育に携わってきた集大成として、社会に恩返しできる成果を生み出せるよう、研究に取り組んでいます。

社会人学生は各自がプロフェッショナルとして働いているので、お互いの現場の話は興味深く、大学院に進学しなければ出会えなかった人たちとともに学ぶ面白さがあります。また、これまで理解しきれていなかった社会の政策や研究の在り方など、新たな知識を得るためのワクワクする手段がたくさんあります。そして、私自身、県教育委員会で指導主事として働くなかで、本学の学びが生かされ、仕事の幅が大きく広がったと感じています。社会人の皆さんのなかには、今は仕事や家庭の事情で学び直しが難しいと思っていても、将来的には進学の環境が整う人もいるかもしれません。だから、学ぶことを諦めないでほしい。学びたいと願う年齢に限りはなく、いくつになっても挑戦できます。大学院で学ぶ私のチャレンジが、今後進学を希望する多くの人の後押しになるように願っています。

髙橋 和子さん