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新保 みさ 講師


最新知見から行動科学の理解を深め、
さまざまな現場で生かせる栄養教育を。

栄養教育、行動科学、健康科学
新保 みさ 講師

管理栄養士の負担軽減につながる食行動科学の研究

栄養教育や行動科学を専門とし、主な研究テーマは成人期の栄養教育です。 人々が健康な生活を送るためには、昔からバランスのよい食事が大切だと言われていますが、理解はしていても実践できない理由は何か、食行動のサポートからアプローチしたいと考え、研究者の道に進みました。 調査結果が実際の生活での実践に結びつくことが、行動科学研究の面白さ。 近年はコロナ禍で増えた特定保健指導のICT面接についての研究も進め、管理栄養士がICT面接をするメリットとデメリットを踏まえたうえで、より効果的な面談方法や工夫の仕方などを探っています。 また、共同研究というかたちで、サステナブルな食行動などSDGs関係の研究も進めています。

かつては、栄養指導において「食事の適量管理に食器の大きさはどのような影響を与えるか」というテーマで研究に取り組んでいました。 生活習慣病予防などの食事管理において、小さな茶碗を渡すことで米飯摂取量のコントロールがしやすくなれば、対象者の負担軽減になるのではないかと考えて進めた研究です。

新保 みさ 講師

現場で生かせる知識と力を

私が長野県立大学に赴任したのは、2018年の開学時です。 それまでは母校のお茶の水女子大学で博士の学位を取得後、助手として2年間働いていました。 本学着任のきっかけは、当時の私の指導教官が長野県立大学の設立に向けた委員会のメンバーで「魅力ある大学」と紹介を受けたことです。 長野県は健康的で食べ物がおいしいイメージがあったこと、また出身地である神奈川県からの距離感も遠すぎず、交通機関の利便性のよさも後押しになりました。

2024年からは大学院の授業も担当。「栄養教育学特論」を担当しており、人間のさまざまな行動を実証的に解明する行動科学の理論やモデルについて学びを深める授業を行っています。 時代の変遷とともに変化してきた研究をもとに最新の知見から学びを深められるよう、国外の研究にも目を向け、常にブラッシュアップした情報を授業に取り入れることを心がけています。

さらに、ゼミでは2名の院生の指導も。どちらも栄養教諭の免許を有する社会人学生であるため、栄養教諭関連の研究も進めています。 栄養教諭自体は、2005年に食育基本法が成立して小中学校に導入されましたが、認知度はまだまだ低く、学校現場では他の教員からの理解も十分ではありません。 そこで、この約20年間を目処とし、栄養教諭が社会に求められている役割を改めて考え、よりよい栄養教育ができる実践的な研究を進めていくことが指導教員としての展望です。

新保 みさ 講師

高度で深い大学院の学びを現場で生かせるように

管理栄養士の職場は、官公庁や学校、病院など多岐の分野にわたります。 管理栄養士養成施設である長野県立大学の4年間の学部教育では、どの職場でも活躍できるよう幅広く知識を得ることができますが、どうしても各領域の専門性は低くなります。 そこで、自分の強みや専門性を深める学びができるのが、大学院進学の魅力。 本学には応用栄養学や国際栄養学、発達心理学など多彩な分野の先生が所属していることが強みですが、ゲストスピーカーとして、学内の教員だけでなく国内の著名な先生を迎えた講義を受けることもできます。 設立して間もない本学は、さまざまな大学で経験を積まれた先生方が集まっていることもあり、これまでの経歴による先生方の多彩なつながりがあります。 私も、今年度、お茶の水女子大学時代の指導教官をゲストに招いた講義を実施する予定です。 こうした特別講義なども通じ、院生の学びをより深めるための授業づくりに努めています。

さらに、学内には教員も学生も自由に使えるオープンスペースが多く、学生と教員、学生同士だけでなく、教員同士が交流する多くの機会もあります。 フランクで社交的な先生が多く、お互いの研究についての情報交換ができる環境です。私も分野ごとに異なる最新の研究手法や解析方法などを先生方から学び、研究に生かしています。
こうした本学での高度で深い学びを通じ、院生には、知識や対応力を高め、自分の強みや引き出しを増やしてほしいと考えています。 そして、その引き出しを生かし、医療機関や教育機関、保健所など、それぞれの就業現場での活躍に期待しています。

新保 みさ 講師